インビザライン矯正中に起こるアライナーの浮き|許容範囲について
インビザラインとはマウスピース型の矯正装置・アライナーを使用した矯正治療法のことです。
アライナーは取り外しが自由で、透明性や優れた審美性を持っており、矯正時にかかる力を歯全体に分散できるため特定の歯だけにダメージを与えることを防げます。
乳歯と永久歯が混在する年齢からでも矯正治療ができるなどメリットの多いインビザラインではありますが、アライナーが浮くといったトラブルが起きることも。
そこで本記事では、アライナーが浮く原因や許容範囲、対処法などについて解説していきます。
アライナーが浮いたときの対処法を知って、より効果的な歯列矯正を目指しましょう。
アライナーとは、プラスチック製のかぶせ物で、かなり注意して口元を見ない限り矯正中とは気づきにくい矯正装置のことです。
アライナーは審美性に優れていることから、口元を気にせず話せたり、笑ったりできる特徴があります。
人前に立つ職業であるキャビンアテンダントやキャスター、アナウンサー、俳優など幅広い職種の方から重宝されています。
また、アライナーは自分で取り外せるため、食事や歯の手入れも普段通り行えるのがメリットです。
虫歯や歯周病のリスクを抑え、口腔内を衛生的に保てるのはもちろん、大切な会議や写真撮影のときにも外せるためとても便利です。
さらに、プラスチック製であることから、金属アレルギーの心配もなく、妊娠している方も安心して矯正治療を受けられます。
メリットがある一方で、アライナーにはデメリットも少なからずあります。
インビザライン矯正では、アライナーを1日20時間以上装着しなければなりません。
食事や色のついた飲み物を飲むときは外す必要があり、煩雑なことから装着時間が短く、治療計画通りに進むかどうかは患者によるところが大きいのです。
また、歯磨きのときにはアライナーも掃除する必要があり、ワイヤーで矯正する場合よりも手間が増えます。
さらに、アライナー使用中にはアライナーが浮いてしまうといったトラブルも少なくありません。
ここからは本題に戻り、なぜアライナーがなぜ浮いてしまうのか、具体的な原因を見ていきましょう。
インビザライン矯正をはじめてすぐや、アライナーを変えたときに、歯とアライナーの間にズレが生じることで、歯に合わない場合があります。
ただ、歯とアライナーがしっかり合うと今度は歯を動かせなくなるため、ズレが矯正のための許容範囲内であれば問題ありません。
1つのアライナーで歯を動かす移動量を0.25mmとしている歯科医院もあり、このわずかな隙間があることで歯が動き、矯正につながります。
インビザライン矯正では、治療を行う前に歯科医師が歯の動きをシミュレーションし、治療計画を説明してくれるところがほとんどです。
ただ、あくまで治療計画であるため、実際の歯の動きと異なる場合も少なくないでしょう。
特に、先ほどアライナーのデメリットでも指摘した規定時間である1日20時間以上の装着ができていない場合、歯が治療計画通り動いていないため、浮いているように感じるのです。
治療計画通りにインプラント矯正をしているのにアライナーが浮くときは、アライナー自体の問題が考えられます。
たとえば、もともとのかみ合わせで奥歯の上下の位置が大きくズレている場合、インビザライン矯正として顎間ゴムを使用します。
アライナーにゴムを引っかけるための切り込みが必要にもかかわらず、カットすべき箇所がカットされていないなど、アライナー自体に問題があり浮いてしまうのです。
また、審美性を保つために上の前歯にあるアタッチメントを小さくしたり、設置自体しなかったりすると、アライナーが浮く原因になります。
特に前から2番目の歯である側切歯に起きやすいとされています。
歯のサイズや形状によっては、かぶさりづらく、アイライナーが浮いてしまう場合があります。
たとえば、奥歯の高さがない場合、アライナーとの間に隙間ができ、浮く原因になるのです。
矯正のために抜歯した場合、アライナーと奥歯を合わせるために追加アライナーの作成で調整する必要があります。
インビザライン矯正では、アライナーの装着時間は1日20時間以上が必要です。
装着時間を厳守することで歯が予定通りに動くため、次のステップを想定して作られたアライナーへの移行もスムーズに行えます。
反対に装着時間が足りないと、歯とズレが生じ、アライナーが浮く原因となるのです。
1日に何度も着脱したり、洗浄したりと手間がかかりますが、浮き具合を改善するためにも装着時間を守るようにしましょう。
また、下記の記事では、装着時間の管理ができるアプリのご紹介をしています!
「自己管理するのは大変…」とお困りの方はぜひご覧ください。
アライナーチューイとは、嚙み込み用のシリコン製ゴムのことです。
インビザライン矯正をはじめたときや、アライナーを取り換えたときは、積極的にアライナーチューイを活用しましょう。
アライナーチューイを前歯から奥歯まで、1つの歯について5回ほど噛むのが理想です。
口全体でしっかり噛むことを意識して1日30分ほど噛むことで、歯とアライナーの適合が良くなります。
しっかり継続することが治療期間の短縮にもつながります。
あたらしいアライナーに取り換えたときにアライナーが浮く場合、自身でできる対処方法として1つ前のアライナーに戻すのもよいでしょう。
治療計画通りに進んでいない歯がある状態であたらしいアライナーをつけると、ズレが大きく浮き具合がひどくなる原因になるのです。
1つ前のアライナーに戻すと、治療計画通りに動いていない歯並びを整えられます。
1つ前のアライナーで3日ほど過ごし、歯列を調整してあげると浮き具合が軽減される場合があります。
延長して装着した場合は、治療計画の関係もあるため、次回通院する際に担当の歯科医師に伝えましょう。
アタッチメントとは、歯の表面に固定するレジンの突起物のことです。
アタッチメントはアライナーが歯に与える力を調整するための補助をします。
歯の表面が滑りやすいことで歯を動かす度にアライナーが浮いてしまう場合などには、アタッチメントでしっかりと固定するのがよいでしょう。
上記の対処法でも解決しない場合は、担当の歯科医師に相談しましょう。
アライナー自体に問題がある場合は、アライナーの作り直しも選択肢のひとつとなります。
そのほかにも、リカバリー処置として、浮きの原因である一部だけをワイヤー矯正したり、歯にボタンをつけてゴムで引っかけることで正しい位置に歯を動かしたりといった方法もあります。
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことでアイライナーが浮く原因や許容範囲をご理解いただけたと思います。
計画通りに矯正できるように、アライナーの浮きが気になる場合には紹介した対処法を試してみましょう。
小野歯科医院では、矯正治療経験30年以上の歯科医師によるインビザライン矯正を受けることができます。詳しくはこちらをご覧ください。
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